個人投資家が財産運用を成功させるための10ヶ条まとめ【ウォール街のランダム・ウォーカーより】
投資の名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」で紹介されている財産の健康管理のための10カ条をご紹介します。
プロでも市場に勝つことは難しい中で、僕たちのような個人投資家は、何を考えて投資をすればいいかを教えてくれています。
一言で言えば、「インデックス・ファンドに分散投資をせよ!」なのですが、何よりもリスク管理を怠らないようにと注意喚起されていることがポイントです。
まずは、安心して生活できるように財産を整えてから、投資することが大切であると言われているのです。
ではここからは、財産の健康管理のための10カ条を詳しくお伝えしていくので、ぜひチェックしてみてください。
財産の健康管理のための10カ条
元手を蓄えよ
まず最初に言われていることは、
継続性のある貯蓄計画を、できるだけ若いうちに始めることだ。
と言われています。
インデックス投資を始めるためには、何より元手が必要です。
来月の支払いにビクついているのに投資を始めることはナンセンス。
身の丈に合ったライフ・スタイルに切り替えて、継続的に貯蓄をすること。
その上で、継続的に投資することが大切なのです。
ちなみに、同じことは、名著「敗者のゲーム」でも一番最初に言われているので、よほど大切なことだと気を引き締めた方がいいですよ。
現金と保険で万一に備えよ
安全でいつでも引き出せる形で、ある程度の現金を持つことは絶対に必要だ。
いくら若くて、病気になるリスクが低い人でも、最低限の現金は必要です。
日本では、生活防衛費と言われる預貯金のことです。
また、本書では、保険に加入することをもオススメされていますが、きっとこれは、米国の事情だからでしょう。
日本には、健康保険や自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)があるので、多くの人は問題ないはず。
ただ、制度はあっても内容を知らないのでは、まったく意味がありません。
どんな時に、保険制度を活用できるかを、しっかり把握しておきましょう。
現預金でもインフレ・ヘッジ
もしものために現預金を用意しておくことは重要ですが、インフレに弱いことが大きなデメリットです。
もしインフレ率が2%なら、その分だけ、現金の価値が減ることになります。
これに備えるために、非常に安全な方法で、現預金も運用することが紹介されています。
紹介されているのは、米国の制度になりますが、日本の場合だと、「変動10年」国債やネット銀行、あおぞら銀行などの金利の良い預金口座などになるでしょう。
節税対策と年金制度の活用
きっとこの記事を読んでいるあなたなら、NISAやつみたてNISA、iDecoといった、節税制度のことはご存知でしょう。
本書においても、このような節税制度を利用することが大切であると、紹介されています。
個人的には、投資に関する節税制度はもちろんのこと、確定申告の仕組みも理解しておくと、より節税につながるのでオススメです。
▼確定申告のことが何もわからない人には、こちらのマンガがオススメです。
運用目標をはっきりさせる
多くの人は、とにかくお金を増やしたいと願うばかりで、具体的な運用目標を決めていないとのこと。
あなたのポートフォリオは、具体的に何%のリターンとリスクで運用しているかを答えることはできますか?
毎日、目覚めた瞬間に、株価チャートをみてしまう人は、きっとリスクを取り過ぎていると思います。
およそのリターンとリスクは、過去の実績から算出することができるので、「myINDEX」などを使って、チェックするのをオススメしますよ。
株価が大暴落してからでは遅いので、いますぐ着手してくださいね。
マイホームの活用
世界の人口が増加を続ける限り、不動産は最も強力なインフレ・ヘッジになる。
日本では人口減が進んでいて、空き家問題が取り沙汰されていますよね。
しかし、世界に目を向けると、まだまだ人口は増え続けています。
ということは、家などの不動産の需要が高まっているということでもあります。
そのため本書では、REITのインデックス・ファンドもポートフォリオに組み入れることがオススメされています。
債券市場に注目
債券はよく、株式と逆の値動きをするということで、リスクヘッジになると言われています。
そのため、もちろん基本知識を勉強する必要はあるものの、債券においても、ノーロード型のインデックス・ファンドもオススメされています。
ポートフォリオのリスクが高いときに、債券を組み入れることで、リスクヘッジができるので、気になる方は、要チェックです。
金、ダイヤ、書面骨董、コレクター、アイテム
金を購入することでも、ポートフォリオのリスクを低下させることができます。
しかし、金以外のダイヤ、書面骨董などの商品は、趣味を超えて買わないことがアドバイスされています。
なかなか個人投資家で、このようなものへ投資している人はいないと思いますが、カモにされるリスクが高いとのこと。
将来の値上がりを期待して買ってしまうと、痛い目をみる可能性があるので、ご注意ください。
投資にかかるコストに目を配る
ファンドの世界では、支払うコストを節約した分、リターンが増えるのだ。
アクティブ・ファンドや株式投資での手数料は、インデックス・ファンドに比べると、非常に高いですよね。
その分だけ、市場に打ち勝つことが難しいのです。
また、インデックス・ファンドにおいても、可能な限り手数料は、安い方が有利に働きます。
その分だけ、将来手にすることができるお金に差ができるので、投資コストには、しっかりと目を配るようにしましょう。
分散投資が大原則
分散投資が、リスクを減らして、長期的なリターンを増やしてくれることは、いうまでもありません。
しかし、充分に分散投資ができていない個人投資家も、しばしば見受けられます。
株式が運用の柱だと言っても、株式だけでは不十分なのだ。
本書ではこのように言われているとおり、債券やREITへの投資も組み合わせることで、ポートフォリオのリスクを軽減することができます。
今まで、株式以外への分散投資を行なっていなかった人は、この機会に検討してみてくださいね。
まとめ
「ウォール街のランダム・ウォーカー」で紹介されている財産の健康管理のための10カ条は、当たり前のことが書かれているようですが、実践できていない人もいますよね。
僕自身も、株高のときには、つい株式投資の比率を高めてしまって、リスク高めのポートフォリオにしてしまいがちです。
また、現金よりも株式の方を優先してしまいたくなることも、しばしばあります。
こういったときに、行動を正してくれるのが、これまで紹介してきた財産の健康管理のための10カ条です。
定期的に見直して、脇道に逸れていないかを確認したいですね。