【書評・要約まとめ】ウォール街のランダム・ウォーカー〜投資家のバイブル本!インデックスが最良の投資先〜
バートン・マルキール氏著「ウォール街のランダム・ウォーカー」は、投資家のバイブル本です。
過去の金融市場のデータをもとに、いかにインデックス投資が優れているのかを解説してくれています。
いくつものバブル景気の様子や、プロ投資家の散々たる成績を知ると、きっと身の引き締まる思いをすることになるはずです。
読み終える頃には、大人しくポートフォリオを作成し、インデックス投資をし続けることを誓うことになるでしょう。
この記事では、「ウォール街のランダム・ウォーカー」の書評・要約まとめをご紹介します。
あなたの投資ライフに役立つ名著なので、ぜひチェックしてみてください。
ウォール街のランダム・ウォーカーとは
まずは、本書のタイトル「ウォール街のランダム・ウォーカー」とは、どのような意味なのかを解説します。
ウォール街とは、アメリカのニューヨーク州マンハッタンにある細いストリートの一つです。
ここは、全世界の金融の中心地として、名だたる投資家が集う場所なのです。
そして、ランダム・ウォークというのは、次のことを意味する言葉です。
物事の過去の動きからは、将来の動きや方向を予測することは不可能である
これを投資に当てはめると、株価が短期的にどうやって変化するかは、予測することが非常に難しいという意味。
投資家のコメントとして、「これから株価が上がる(下がる)」というのを見かけますが、本書に言わせてみれば、そんなの分かりっこないということです。
歴史上のバブルから学ぶ
本書の読みどころは、いかに株価がランダム・ウォークなのかを、過去の事例から教えてもらえるところにあります。
これでもか、これでもか、というくらいに、僕たちの先祖が経験した事例を紹介してくれます。
例えば、珍しいチューリップに高値がついて売買されていたことがあるなんて、現代に生きる僕たちからしたら、信じられないことでしょう。
しかし、これが実際に起こっていて、みんなが本当の価値に気がついた瞬間、バブルが弾け飛んで大きな損失を被ることになったのです。
こう言った事例から、「当時の人たちは、馬鹿だったな」で終わらせてはいけません。
最近でも、リーマンショックだったり、仮想通貨バブルだったり、似たようなことは多発しています。
きっとこれからも、〇〇バブルは、起こり続けるでしょう。
僕たち投資家は、過去の事例から学ぶことで、大切なお金を守っていかなくてはならないのです。
株式市場で金儲けをすることは、実際、それほど難しいことではない。むしろ難しいのは、短期間に手っ取り早くお金を設けられそうな投機に、お金をつぎ込みたく誘惑を振り払うことのほうである。
▼過去に起きたバブルの一例
- 17世紀:チューリップバブル(オランダ)
- 18世紀:南海会社バブル(イギリス)
- 1960年代:トロニクスブーム(アメリカ)
- 1990年代:不動産バブル(日本)
- 2000年:ネットバブル
- 2018年:仮想通貨バブル
プロでも市場に勝つことは難しい
投資をする上で、決して忘れてはいけないことは、プロの投資家でも、市場に勝つことは難しいということ。
頭のいい人たちが、テクニカル分析(チャートから株価を予測する方法)やファンダメンタル分析(財務状況などから株価を予測する方法)を使って、市場に勝負を挑んできましたが、ことごとく敗北しています。
その理由は、本書のタイトルにあるとおり、株価がランダム・ウォークするからです。
ウォーレン・バフェットのような一部の投資家を除き、ほとんどのプロの投資家よりも、インデックス投資の方が優れているのです。
この章では、さまざまな分析方法の検証がされていますが、バートン・マルキール氏によって、コテンパンにされています。
きっと、本書を読んだ一般人なら、大人しくインデックス投資をするしかないと心に誓うはずです。
ウォール街の歩き方
では一体、本書では、どのような投資が良いとされているのでしょうか。
例として、3つの方法が挙げられています。
1 思考停止型の歩き方–インデックス・ファンドを買う
2 手作り型の歩き方–有望銘柄を自分で探す
3 人に任せるタイプの歩き方–専門家を雇うべし
基本的には、個人投資家にもプロの投資家にも、インデックス投資がおすすめられています。
しかし、ひたすらにインデックス投資をすることは、退屈極まりないです。
そのため、一部の銘柄だけ、自分で探し出すということもアリだと言われています。
まとめ
本書では、最初から最後まで、インデックス投資がいかに優れているかを教えてくれています。
特に注目して読んでいただきたいのは、過去に起きた数々のバブルと、プロの投資家でも勝つことは難しいということ。
過去のバブルを知れば、これからも起こるであろうバブルへの対応策が見えてくるはずです。
プロの投資家でも勝つことが難しいと分かれば、個人投資家であるあなたが、金融市場に挑もうと思うこともなくなるでしょう。
1999年の初版から20年近くたち、第12版まで読まれ続けている本書は、間違いなくこれからの投資ライフに役立つ一冊です。
読み応えがあって学びが多い本なので、ぜひ一読することをオススメします。