【書評・要約まとめ】ほったらかし投資術〜個人投資家向けのインデックス投資実践ガイド〜
山崎 元さんと水瀬 ケンイチさんの共著「全面改訂 ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」をご紹介します。
本書は、個人投資家向けのインデックス投資実践ガイドとなっています。
タイトルの「ほったらかし」から想像できる通り、
- 誰にでもできるくらい簡単
- ほとんどテマが掛からない
- 合理的で効率的
に、投資を行うための方法が解説されています。
個人投資家向けに書かれてあるので、非常に親しみやすい内容であることが特徴です。
これから投資を始めようとしている人、投資を始めたばかりの人、投資マニアの人と、それぞれに楽しめる章が用意されています。
この記事では特に、投資初心者の人に役立つ部分を抜粋してお伝えしていきます。
「ほったらかし投資術」を実践したい方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
インデックス運用の3つの長所
ほったらかし投資術の原則は、「インデックス投資」です。
インデックス投資とは、TOPIXやS&P500といった、経済指標に投資をすること。
その理由は、3つあります。
手数料が安い
一つ目の長所は、手数料が圧倒的に安いこと。
ファンドマネージャーが運用する「アクティブ投資」と比較すると、手数料が10倍近くも差があります。
分かりやすい
経済指標を見ることで、自分が投資しようとしているものの、リスクとリターンがどの程度がを知ることができます。
また、投資対象が経済指標なので、資産分配を考えるときにも、非常に分かりやすいということも長所です。
負けにくい
一番大切な長所は、負けにくいということ。
負けにくい最大の理由は、手数料が非常に安いからです。
市場が成長さえしていれば、そこから僅かな手数料を引いた分だけが、僕たちの利益になってくれるのです。
インデックス運用の短所
長所が多いように思われがちなインデックス投資ですが、いくつか短所も存在します。
お金を増やすのに時間がかかる
インデックス投資は、一年で2倍になったり、5年で10倍になったりすることは、ほぼありません。
20年とか30年かけて、ようやく大きな利益に育ってくれます。
せいぜい、年率で数%程度の利益にしかなりません。
非常に退屈
投資といったら、ハラハラドキドキするイメージを持っている方もいると思います。
しかし、インデックス投資では、たんたんと積立投資をすることが原則なので、非常に退屈です。
地味でのんびりしているので、投資に刺激を求めている人には向かないでしょう。
ダメ企業にも投資をしてしまう
経済指標に投資するのがインデックス投資なので、経済指標に含まれているダメ企業にも投資をしてしまうことが短所の一つです。
個人的には、好きじゃない企業に投資してしまうのが嫌なので、日本のインデックスには投資していません。
ダメ企業だから株価が上がりにくいというわけではありませんが、これは、好みの問題ですね。
メンテナンスとリバランス
インデックス投資の基本は、「バイ&ホールド」といって、購入したら、ほったらかしにするだけです。
運用のために、自らが手を動かす必要は、ほぼありません。
しかし、唯一行わなければいけないのが、メンテナンスとリバランスです。
投資を始めたときに決めた資産分配から、ズレてしまった分を修正する作業が必要なのです。
水瀬式
水瀬さんの場合は、メンテナンスとリバランスを、年に1度くらいがちょうどいいとおっしゃられています。
好調な投資信託の一部を売却して、不調だった投資信託を買い増しするという具合に手を加えている方法がおすすめされています。
ただ、実際には、好調な投資信託を売却することなく、不調だった投資信託を買い増しだけでリバランスを行う「ノーセル・リバランス」を実践されているとのこと。
山﨑式
一方、山﨑さんは、年に一度、ノーセル・リバランスに賛同しつつも、少し補足を加えられています。
その方法とは、時期に関係なく、ノーセル・リバランスを行うというもの。
市場変動が大きくなったタイミングで、メンテナンスとリバランスを行うのがいいのではないかと、提言してくれています。
まとめ
この記事では、投資初心者に役立つ内容を抜粋して紹介しましたが、
- これから投資を始めようとしている人
- 投資を始めたばかりの人
- 投資マニアの人
と、どの段階にいる人にとっても、非常に役立つのが本書の特徴です。
例えば、マニア向けの情報では、ETF運用の現場について、日興アセットマネジメントの方との対談も掲載されています。
なかなか聞くことができない現場のリアルがわかるので、非常に面白いですよ。
本書の概要については、山﨑 元さんのYouTubeでも触れられているので、こちらもオススメです。