【書評・要約まとめ】投資家が「お金」よりも大切にしていること(藤野 英人さん著)〜これからを生きる日本人に届けたい言葉たち〜

藤野 英人さん著「投資家が「お金」よりも大切にしていること」は、これからを生きる日本人に届けたい言葉が詰まった本です。
「投資」と聞くとマネーゲームを思い浮かべてしまう人もいると思いますが、この本は、そんな本ではありません。
お金を稼ぐことは大切なことですが、もっと大切な僕たちの生き方について、語られている本です。
投資家として第一線で活躍し続けている藤野さんが、投資家目線で、すべての日本人にメッセージを発信されています。
本書を読めば、お金や投資に対する見方も変わりますし、あなたが世の中を見る目すらも変化が起こることでしょう。
この記事では、「投資家が「お金」よりも大切にしていること」の書評・要約まとめをお伝えしていきます。
日本人に届けたい言葉を8つ厳選しましたので、ぜひチェックしてみてください。

日本人に届けたい言葉8選
150円のペットボトル代の行方
自動販売機やコンビニで買ったペットボトルのお金は、どこに行くのか考えたことありますか。
もし想像したことも無かったら、この機会に、30秒だけでもいいから考えてみてください。
直接的・間接的に、ありとあらゆるところに、お金が行き渡っていることが分かりますよね。
そして、あなたが思い付いたことは、普段、あなたが興味を持っていることに、大きく影響しているはずです。
藤野さんは本書で、このようなことを語ってくれています。
お金を考えることは、まさに人生を考えること
日本では、お金について語ることがタブーとされがちですが、それは、人生について考えていないと言えるでしょう。
その結果が、あらゆるところに不平不満が溢れている、いまの日本なのです。
だからまず、お金について考えていくことで、日本を住みやすい国に変えていくことができると思います。
お金そのものが大好きな日本人
日本では、お金の話がタブーになっているにも関わらず、日本人は、お金が大好きであると藤野さんは言います。
例えば、貯蓄率を見てみても、アメリカは13%程度、ヨーロッパは35%程度、日本は55%程度になっています。
寄付金額を見てみても、アメリカと比較すると、0が二つ分くらい離れています。
これらのことから、日本人は、お金のことを現金や預金として守ることばかり考えていると言えるでしょう。
それはつまり、お金そのものが大好きだから、手元に置いておきたいと言い換えることもできると思います。
「清貧の思想」は美徳ではない
お金が大好きなことはダメなことではないと思うのですが、上記のような考えの根底には、「清貧の思想」があると言われています。
「理念に生きるために、あえて豊かな生活を拒否する」という思想が、「豊かになるためには、理念を捨てて汚れなければいけない」という考え方に変わってしまった
つまり、「豊かになることは汚れることだ」という考え方になってしまい、「お金持ち=悪」へと変化していったようです。
おそらくこの記事を読んでいるあなたは、「そんなことない」と思っているでしょうが、日本全体を見渡すと、このような空気感に包まれているのを感じますよね。
良い消費者になるということ
では、実際に、僕たちはどんな行動をすると、日本をよくしていけるのでしょうか。
そんな疑問に対して、藤野さんは、このようなアドバイスをしてくれています。
良い消費者になる
例えば、居酒屋やレストランで、「ありがとう」と言うこと。
サービスを提供してもらったのだから、感謝の気持ちを伝えるのは、当然のことでしょう。
生産者と消費者の立場は、対等ですからね。
しかし、周りを見渡してみると、どうも消費者の方が、立場が上だと思っている人が多い気がします。
そんなブラックな消費者がいることによって、ブラックな生産者を生み出しかねません。
だからまずは、自分自身が良い消費者になって、良い生産者を増やしていきましょう。
そうすることで、日本は少しずつ豊かな国になっていくはずです。
実は、みんなが投資家
「投資家」と聞くと、実際に、株式投資をしていたり、投資信託を購入している人をイメージすると思います。
お金のために働く悪党だと思われる人もいるかも知れません。
しかし、藤野さんはこう言います。
じつはみなさんも、”投資家”なのです。
投資とは、いまこの瞬間にエネルギーを投入して、未来からお返しをいただくこと
お金ではなく、エネルギーと表現していることがユニークですよね。
藤野さんがいう、エネルギーとは、次のようなものたち。
エネルギー=情熱×行動×時間×回数×知恵×体力×お金×運
一言でいうと、「人生」ではないでしょうか。
人生をかけて、努力しているのでしたら、あなたも立派な投資家といえると思います。
投資のお返しの成果
人生をかけて努力していることが投資なら、そのリターンは何なのかが気になるところですよね。
最大のお返しとは、”明るい未来”のこと
会社やビジネスに投資(株式投資・不動産投資など)することは「直接的に、世の中を良くすること」であるし、自己投資も「間接的に、自分を通して世の中を良くすること」だと考えています。
当然、消費をすることも投資であれば、選挙で一票を入れることも投資です。
人生を投資することで、明るい未来、より良い社会、豊かな生活というリターンが待っているというわけです。
藤野さんは、明るい未来をつくること以外に、投資の目的はないとおっしゃっています。
変化こそが安定
本書の中で、最も好きな一言が、こちらです。
変化こそが安定
一般的な安定だと、給料が変わらないことやリストラされないことといった、変化がないことを言いますよね。
しかし、動かないことこそが、リスクそのものだと思うのです。
今まで成功していたからといって、時代に対応せずに、ひたすら継続することを選んでいたら、いつか取り残されてしまうでしょう。
逆に、時代の変化に対応して、日々、改善をし続けていたら、波はあるかもしれませんが、生き残れる可能性は高まります。
変化は、怖いようで、怖くないことなので、あなたにはぜひ、「変化」について考えてみていただきたいです。
最後の最後は「エイヤ!」
本書の最後には、変化が苦手な日本人のために、こんな言葉が紹介されています。
最後の最後は「エイヤ」
いくら論理的に考えても、絶対に埋められない穴にぶち当たることもあるでしょう。
そんな時には、「エイヤ!」と、気持ちで乗り切ることが必要なのです。
「エイヤ!」とは、目を瞑って飛び込むようなイメージもありますが、見方を変えると「信じる」ということでもあります。
最後の最後は、自分を信じる、相手を信じることが大切になってくるという、素晴らしい言葉だなと思いました。
まとめ
本書は、投資家である藤野 英人さんが、僕たちの背中を押してくれる感覚になれる一冊です。
特に、投資に対して良いイメージのない日本人にとっては、とても衝撃的な内容になっているはずです。
広い目でみたら、自分自身も投資家であるということに、驚いてしまうことでしょう。
僕にとって本書は,投資のバイブル、人生のバイブルとして役立ててきました。
投資初心者の方に、投資のオススメ本を聞かれたら、真っ先に紹介してきた本でもあります。
なので、ぜひあなたにも読んでもらいたいので、手に取っていただけると嬉しいです。
